スワット事件から学ぶ共同正犯の成否

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共同正犯の成否を決める要件

①共同して犯罪を実行する意思のもと
②相互に他人の行為を利用補充し合って各自の犯意を実行に移し、
③共謀者のうちの一人が犯罪を実行した場合
「共同して犯罪を実行」したと判断できる

 

実例:
暴力団要職のXのボディーガード集団「スワット」はXの身に危険があれば
指示が無くてもXを守るという共通の目的を持った集団で、全員が拳銃を所持。
Xは拳銃の所持を命令していない場合であっても共同正犯となり得るのか?

判例 最決平成15年5月1日 スワット事件
 

「被告人は、スワットらに対してけん銃等を携行して警護するように直接指示を下さなくても、スワットらが自発的に被告人を警護するために本件けん銃等を所持していることを確定的に認識しながら、それを当然のこととして受け入れて認容していたものであり、そのことをスワットらも承知していた・・・被告人とスワットらとの間にけん銃等の所持につき黙示的に意思の連絡があったといえる。・・・指揮命令する権限を有する被告人の地位と彼らによって警護を受けるという被告人の立場を併せ考えれば、実質的には、正に被告人がスワットらに本件けん銃等を所持させていたと評し得る」

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