可罰的違法性とは、
違法性の質や量が処罰に値する程度のものではないことを理由として、
構成要件該当性もしくは違法性を否定する理論の事
※被害額が低いからといって何でもかんでも違法性を否定するわけではない
事例1:
当時の価格一厘の葉タバコ1枚を納入しなかったという専売法違反事件。
判例 大判明治43年10月1日 一厘事件 |
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「零細なる反法行為は犯人に危険性ありと認むべき特殊の情況の下に 決行せられたるものにあらざる限り共同生活上の観念に於て刑罰の制裁の下に 法律の保護を要求すべき法益の侵害と認めざる以上は、 之に臨むに刑罰法規を以てし刑罰の制裁を加うるの必要なく」として、 犯罪の成立を否定すべき |
事例2:
被告人は、「加入電話回線に接続すると特殊な信号を発信し、通話が無料になるというマジックホンと称する機械」を加入電話回線に取り付けて、1回だけ通話を試みたが、その後は取り外して使用しなかったケース。
判例 最決昭和61年6月24日 マジックホン事件 |
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「たとえ被告人がただ一回通話を試みただけで同機器を取り外した等の事情があつたにせよ、 それ故に、行為の違法性が否定されるものではない」として、 有線電気通信妨害罪、偽計業務妨害罪の成立を認めました。 |
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